子どもの小学校区で土地を探したい

2023年10月14日

6、子どもの小学校区で土地を探したい


「今回はマイホーム取得のための土地選びですが、良地さんはお子さんの学区で土地を探すことについてどのようにお考えですか?」


間髪入れず夢見子が言った。「もちろんそれが大前提です。今住んでいる場所と同じ小学校の学区がいいです。子どもの友達もたくさんいますし割りと生活便も良くて気に入っているので・・・。」


見付太郎「なるほど、そうですよね、よくわかります。もちろん学区内に良い物件があれば一番ですね。それ自体がいけないわけではありません。お子さんの学区内の物件をお選び頂くのも土地の選び方の一つかもしれません。実際に土地探しをする際、お子さんの小学校区を限定されるお客様が非常に多くいらっしゃいます。実際にお子さんが小学校に入学していたりすると尚更ですね。ちなみにご主人様も同じお考えですか?」


僕は答えた。「まあ、良い物件があれば今住んでいる学区でも別に構わないと思っています。ですが正直なところ私自身は子供の学区にはこだわっていません。どちらかと言えば私の会社の通勤時間が1時間近くかかるので本当は会社から30分以内で行ける場所が希望です。」


見付太郎「なるほど」とうなずき話を続けた。

「ご夫婦もたまたまご結婚時に紹介された今のアパートにご縁があり、今のお住まいの地域、言い換えれば『学区』に住んでいるのですよね。そしてその地域に馴染んだお子さんを友達と一緒の学校に行かせてあげたいという奥様のお気持ちも良くわかります。

また、ご主人の通勤時間を気にするお気持ちも良くわかります。いずれにしても土地選びをする際、『学区』で選ぶというのは相当狭く限られた地域で土地を探す事になります。

ところでご主人様のお考えでは会社までの通勤時間を重視されているようですが・・・その点、奥様はいかがお考えでしょうか?」
夢見子「主人の通勤時間や距離についての気持ちは前から聞いているので知っています。

ですから・・・その点は夫婦で意見が違います。」


見付太郎「なるほど。そこはしっかりご夫婦で話をする必要がありますね。少し時間をかけてでも話し合って下さい。

ご夫婦共に気に入った物件が今お住まいの学区内にあれば一番ですが、逆に探す地域が狭い分、良地さんの『他の条件(土地の予算や広さ、日当たりなど・・・)』に見合う土地が少ないかもしれません。もしも今、気に入った物件が無かった場合、人によっては良い土地が出るまでそのまま賃貸住宅に住みながら探す方と思い切ってエリアを広げて探してみる、又は別の価値で考えて物件を選び直す方も実際にたくさんいらっしゃいます。


夢見子「たしかにね・・・今のアパートは駅に近くて、新築で、広さや間取りが気に入って、予算内だったから決めたけど・・・。とりあえず賃貸だからあまり深くは考えなかったけど、ここの地域は土地のお値段がすごく高いですよね。」

 

見付太郎「そうですね、市内の中でも高い方ですね。まぁ、駅に近いですから基本的には資産価値が高い地域ですが、どうしても土地の単価が高いので土地の金額次第では『建てたい建物の予算を縮小』することも有り得ますよね。

ただ一番お薦めできないのは『何はさて置き、まず土地』と言って『本当に建てたい建物』や『資金計画』のバランスを崩してまでご自身の本来の土地予算以上の土地を購入してしまうことです。

例えば良地さんのお住まいの地域にこのような物件が有ります。ご存じですか?」

見付太郎は一つの物件資料を見せてくれた。


僕「いえ、知りませんでした。でも80坪で2400万ですか~。結構いいお値段ですね。でも庭でバーベキューやテントを張ってキャンプも出来そうですね!是非、現地を見てみたいです。」


見付太郎「庭でバーベキューですか・・・いいですね・・・憧れます。もちろん広さは十分ありますから出来そうですね。

でも見に行くのはまだちょっと早いです。他にも検討しなければいけないことがたくさんありますから。土地購入で失敗したくないですよね。」


僕「そうですか・・・もちろん失敗はしたくありません。」


見付太郎「確かに学区という条件はクリアーしておりますが『本当に建てたい建物』や『安心安全な資金計画』をしっかり検討せず、『先に土地購入』するのだけは絶対に止めましょう。土地先行で購入すると『ほぼ確実に失敗』します。」


僕「へ~、そうなのですね。どうしてですか?」


見付太郎「そのことはもう少し後で詳しくお話しますね。ですが絶対にお勧めできない手順だからです。因みにこの物件、確かに普段は・・・なかなか出にくい地域の出物ですし、私たち不動産業者から見ても一見良さそうな物件ではあるのですが、『良地さんにとって良い物件か?』はもう少し検討する必要がありそうですね。確かに土地は一点ものですし、今のタイミングを逃してしまったら、次にいつ同じような物件に出会えるかわかりません。また土地購入は早い者勝ちという側面があるのも事実です。だからと言って『焦って買う』のはお勧めできません。

『しっかりと準備を行い、正しい手順で一歩一歩着実に、尚且つ早めに動く』のがお勧めです。

 

 ここで良地さんにあらためてお考え頂きたいのですが、良地さんご家族にとって、本当に必要なマイホームの購入条件は『学区』や『通勤時間』が最優先なのでしょうか?その基準は何千万円も投じて購入するマイホームというお買い物にとって、この先10年後も30年後も絶対的に変わらない基準なのでしょうか?ということです。

学区についてはお子さんが学校に通っている間だけの話です。通勤距離もたまたま『今は』という話で、今は勤務先が浜松でも将来的には転勤や会社の移転・退職等で変わるかもしれません。他にも、もっとしっかり考えなければいけないことが有りますし、人の好みや価値観・考え方は時間とともに変化もします。ですから学区や通勤距離はその他の様々な条件を検討し、その上で検討可能であればその時に検討すればよいと思います。

 

僕「なるほど、そこまで深くは考えていませんでした。土地の希望エリアや学区の話を含めこの場では結論が出せませんが、一度持ち帰って妻とも一度しっかり話し合ってみます。」

 

見付太郎「恐縮です。宜しければ一度お話してみて下さい。あと、一つの例えですが、将来わからないことに対しての対策方法が有ります。その答えは『どうなっても良いようにしておく』ということです。マイホーム購入で言えば、自分たちが住める間は住めばいい。自分たちが住まなくなったら子供に譲ってもいい。子供たちが不要なら他人に貸すこともできるし、売ることもできる。そういう物件が資産価値のある物件です。」

 

 

 

これは木内不動産 見付太郎 土地セミナー物語『良地得太郎の失敗しない土地選び』の一部を抜粋しました。全文はこちらからお読みいただけます。

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