第7章 100点満点の土地選び
2026年03月25日
第7章 100点満点の土地選び
見付太郎は、少し苦笑いをしながら話し始めた。
「土地探しをされるお客様から、よくこんなご要望をいただきます。」
👉 水害の心配がない
👉 地盤が良い
👉 学区内
👉 日当たり良好
👉 駐車場3台分
👉 道が広くて交通量が少ない
👉 駅や買い物も便利
👉 建築条件なし
👉 そして価格は安い
「このような土地、ありませんか?と。」
夢見子が少し笑った。
「……私たちも、ちょっとそんな感じかもしれません。」
見付太郎も笑いながら頷いた。
「ですよね。
お気持ちは本当によく分かります。
誰だって“理想の土地”が欲しいですから。」
そして——
少しだけ真剣な表情になった。
「ただ——」
👉 その条件をすべて満たす土地は、ほぼ存在しません。
一瞬、空気が止まった。
「正確に言うと——
“出てこない土地”を、一生懸命探してしまっている状態です。」
「……」
「そしてその結果——
👉 良い土地が無い
👉 ずっと決められない
という状況に陥ってしまうのです。」
確かに、思い当たる。
「さらにもう一つ、よくあるのが——」
👉 “人と比べてしまう”ことです。
「知人が家を建てた。
だったら自分はそれ以上の条件で——」
「気づかないうちに、ハードルが上がっていく。」
夢見子が少し気まずそうに笑った。
「……あるかもしれません。」
見付太郎はやさしく頷いた。
「ですが——」
👉 その探し方では、終わりがありません。
「なぜなら——」
👉 土地探しが“目的”になってしまっているからです。
僕はハッとした。
「本来、土地は——」
👉 マイホームを実現するための“手段”です。
「それなのに——
“良い土地を見つけること”自体が目的になると」
👉 一生決まらない可能性すらあります。
部屋が静かになった。
「では、満足して家を建てた人は
どうしているのでしょうか?」
見付太郎は少し間を取った。
「結論から言うと——」
👉 “土地探し”ではなく“土地選び”をしています。
「探すのではなく、選ぶ……?」
「はい。
100点の土地を探すのではなく——」
👉 “自分たちにとっての合格点”を決めるのです。
その言葉が、すっと入ってきた。
「例えば——
70点でもいい。
でもその代わり——」
👉 建物は理想通りにする
👉 予算は守る
👉 生活の満足度を上げる
「こういった“全体のバランス”で判断していきます。」
なるほど——
そういう考え方か。
「そしてその判断を支えてくれるのが——」
👉 良き相談者=パートナーの存在です。
「住宅選びは、パートナー選び——
という言葉もあるくらいです。」
僕は少し考えた。
「でも、まだ住宅会社は決まっていなくて……」
夢見子も続けた。
「ネットで見ているくらいで、
展示場にもまだ行ったことがなくて……」
見付太郎は優しく言った。
「それで大丈夫です。
これから見ていけばいいんです。」
そして少しだけ現実的な話をした。
「ちなみに静岡県内だけでも
建設業者は1万社以上あります。」
「そんなに……」
「はい。
すべてを見ることはできません。
だからこそ——」
👉 “ご縁”を大切にすることも大事です。
そして——
もう一つ重要な話に入った。
「あと、“建築条件付き土地”についても
少し触れておきますね。」
「よく見かけますよね。」
「はい。
簡単に言うと——」
👉 “その会社で建てることが条件の土地”です。
「え、それって……」
「はい。
他のハウスメーカーでは建てられません。」
僕は少し驚いた。
「メリットもありますが——」
👉 “建物の自由度が制限される”リスクがあります。
「特に——
👉 建てたい会社が決まっている
👉 こだわりが強い
こういう方には、慎重な判断が必要です。」
夢見子が小さく頷いた。
そして——
見付太郎は最後にこう言った。
「まとめますね。」
👉 100点の土地は存在しない
👉 土地は“探すもの”ではなく“選ぶもの”
👉 大切なのは全体のバランス
そして——
👉 “何を優先し、何を妥協するか”を決めること
「これができれば——
土地選びで失敗する確率は大きく下がります。」
僕はゆっくりと頷いた。
今までの自分は——
“探していた”。
でもこれからは違う。
“選ばなければいけないんだ”
