第1章 マイホームの購入を考え始める

2026年03月25日

第1章 マイホームの購入を考え始める

 

久々の休日。
僕(良地得太郎)は家族を乗せて車を走らせていた。

来週は息子・家継の誕生日。
さっきショッピングセンターで、妻の夢見子と家継がフードコートで食事をしている隙に、こっそりプレゼントを買ってきた。

どうやらまだバレていない。
さて、あのプレゼント……家のどこに隠そうか。

そんなことを考えながら、ハンドルを握っていたその時だった。

「見て、あなた!あの家、素敵じゃない?外観カッコいい!」

夢見子が突然、声を弾ませた。

僕は運転中でしっかり見ることはできない。
バックミラー越しに、妻が振り返る方向を一瞬確認するのがやっとだった。

「本当だ、いいね……」

正直、よく見えていなかったけれど、
こう答えておけば夢見子は嬉しそうに話を続けてくれる。

案の定——

「リビングは最低10帖は欲しいよね」
「キッチンは対面がいいかな?」
「家継も自分の部屋、欲しいよね?」

夢見子と家継は、楽しそうに“夢のマイホーム”の話を広げていく。

僕はそれを聞きながら思った。

——マイホームの話って、家族で盛り上がるにはちょうどいいな。

「マイホームを持つ」

言葉にすれば簡単だ。
でも実際には、何をどうすればいいのか、正直よく分からない。

何千万円という大金。
人生で一番大きな買い物になるかもしれない。

それでもどこかで——

「一国一城の主になれる」
そんな気持ちがあるのも事実だ。

これは男の見栄なのかもしれない。
でも、きっと僕だけではないはずだ。

ふと、1年前に車を買い替えた時のことを思い出した。

ディーラーで契約書にサインし、
ローンの申込書を書いていたあの瞬間。

必ずある項目——
「お住まいの種類」

僕は迷わず「借家(アパート)」に丸をつけた。

その時、なぜか少しだけ引っかかった。

「いつかはマイホームを…」

そう思いながらも、
仕事と育児に追われ、考える余裕はなかった。

でも気づけば——
家継は再来年、小学校に入る。

会社の先輩も、子どもの入学に合わせて家を買ったと言っていた。

そろそろ、考えるタイミングかもしれない。

もしマイホームを持てたら——
きっと家族は喜ぶだろう。

次の休み、不動産屋に行ってみようか。
いや、その前に少し調べてみるか。

家に帰ると、僕はスマホを手に取り検索した。

「家 購入」

すると、検索候補がずらっと並ぶ。

家購入 諸費用

家購入 後悔

家購入 タイミング

家購入 年収

家購入 税金

家購入 土地選び……

どれも大事そうだ。
でも——

「どこから見ればいいんだ…?」

情報が多すぎて、頭が追いつかない。

とりあえず、見た目で分かるものから。
僕は写真中心のサイトを開いた。

そこには、魅力的な家がずらりと並んでいた。

見れば見るほど、夢が膨らむ。

「この家、良くない?」

僕は気に入った写真を夢見子に見せた。

すると——

「いいけど…え、パパ、家買うの?」
そう言いながら、僕のスマホを奪い取った。

「ちょっと見せて!私もこの前、すごくいい家見つけたの!」

夢見子は勢いよく操作し始めたが——

「あれ?どこだっけ…?」

数分後、

「ごめん、わからなくなっちゃった」

そう言ってスマホを返してきた。

話を聞くと、近所に気になる新築住宅があったらしい。

金額は4,500万円くらい。
大手ハウスメーカーの建売住宅。

でも——
どこの会社かは覚えていない。

それでも僕には分かった。

夢見子も、家を欲しいと思っている。

「ママはどんな家がいいの?」

僕がそう聞くと、夢見子は少し考えてから答えた。

「マンションより、一戸建てかな」

そこから、夢見子の話は止まらなかった。

音の問題、プライバシー、管理費、修繕積立金——
将来のことまで、しっかり考えている。

「だったら、一戸建ての方が気楽かなって思う」

「確かにね」

僕も頷いた。

今住んでいるマンションでも、
上や隣の音は意外と気になる。

自分たちの生活音も、きっと下の階に聞こえている。

気がつけば——
お互いに調べた情報を見せ合い、話し合い、
あっという間に2時間が過ぎていた。

「ちょっと疲れたね…」

首も肩も、目も重い。

その時、僕は思った。

マイホーム探しって……思った以上に大変だ。

でも同時に——

ここからが、僕たちの本当のスタートなのかもしれない。